TechEd2009 参加(1日目)

TechEd2009 に行ってきた。

 

参加セッション

T1-311 Windows 7 と Windows Server 2008 R2 の新機能を活かして実現! より安全な IT インフラ

アプリケーションの実行を制限する AppLocker と、リムーバブルディスクを暗号化する BitLocker to Go の話。

AppLockerはソフトウェア制限ポリシー (SRP) の強化版で、グループポリシーエディタでホワイトリストベース、ブラックリストベースのアプリケーション利用制限がかけられるものらしい。特定のフォルダ内のみ許可とか、特定のバージョン以上許可とか、結構柔軟に制御できるように見えた。ただ、自分はこういうものを導入する立場ではなくて、むしろ制限をかけられる側なので、正直うざいなぁと思って聞いていた。

もう1つの BitLocker to Go はリムーバブルメディアを暗号化する機能で、Vista で導入された BitLocker の拡張みたい。基本 WIndows 7/Server 2008 R2 で動くけど、暗号化した時に FAT でフォーマットされた隠しパーティションができて、そこに暗号領域読み取りツールが配置されるから、XP でもその読み取りツールで中が見えるとのこと。便利そうなんだけど、個人的にも業務でも USB メモリを持ち歩くことがないので、今のところ使い道がない…

 

T1-401 Windows 7 と Windows Server 2008 R2 カーネル解説と基本機能の強化

Windows 7、Windows Server 2008 R2 のカーネルがモジュール化、パフォーマンス、パワーマネジメントなどの面でどう変わったかの話。今日聞いた中で一番面白かったセッション。カーネルは専門じゃないので難しかったけど。

コンポーネント化:OS として最低限必要なものを MinWin としてまとめ、既存の DLL (kernel32.dll とか advapi32.dll とか) をリファクタリングして別 DLL にまとめたらしい。ただ、Virtual DLL という機能で DLL 解決することで既存のアプリも問題なく動くみたい。後、cmd.exe のメッセージングループを CSRSS から独立したプロセスに分離したという話もしていたけどこっちはよくわからなかった。

パフォーマンス:キャッシュ実装を見直して、あまり使わないのに無駄にキャッシュしていた領域をなくしたり、Desktop Window Manager (DWM) のアーキテクチャを見直したりして、メモリ使用量を削減。特に DWM はメモリ使用量を約 50% 減らし、複数のウィンドウを開いてもメモリ使用量がどんどん増えていくことがなくなった。

パワーマネジメント:コアパーキングという技術を導入し、必要最小限の論理プロセッサだけでスケジューリングして残りはスリープさせておくようになった(元々は負荷に関係なく各 CPU に均等に分散していた)。Unified Background Process Management (UBPM) で必要最小限の Windows サービスだけが動くようになった。タイマー結合でタイマー割り込みを最小限したり、Intelligent Timer Tick Distributionで非アイドル状態のプロセッサにのみタイマー割り込みを通知するようにさせ、CPU のアイドル時間を極力長くして消費電力を減らす努力をしている。

信頼性:Fault Tolerant Heap (FTH) でヒープメモリの誤使用(メモリの二重開放とか)を検知し、レジストリにアプリケーションとShimの情報を書き込んで、ヒープメモリを誤使用しているアプリを動くようにする。稼働中のサーバーで実行中のタスクの問題診断のためにプロセスをダンプする仕組み (Process Reflection) が追加された。

セキュリティ:UAC に新しいレベルが加わって、頻繁にダイアログが出てこなくなった。Virtual Account という Service Account のようなものが追加された(いまいち何に使うかわからなかった)。

マルチコア:Dynamic Fair Share Scheduling (DFSS) でリモートデスクトップの特定のセッションに CPU を占有されることがなくなる。User Mode Scheduling (UMS) でカーネルスレッドとユーザースレッドが切り離されるようになった。その他のキーワードとして Page Frame Number (PFN) Lock の削除とか Dispatcher Lock 廃止とか出てきた。

 

T6-301 Office ブランド +α による効率的な情報システム構築

Microsoft が Office +α で目指しているコミュニケーションの全体像の話。

Office がどういう情報システムを目指していて、各 Office プロダクトがどこにどうかかわってくるかを

  1. ID 管理 (AD)
  2. ファイル管理 (1. + File Server)
  3. メッセージングシステム (2. + Exchange Server)
  4. リアルタイムコミュニケーション (3. + Office Communication Server)
  5. IT + Voice (4. + Voice)
  6. 情報共有の拠り所 (5. + SharePoint Server)
  7. 企業内検索 (6. + 検索)
  8. 情報漏えい対策 (7. + AD Rights Management Service)
  9. 情報セキュリティ対策 (8. + Forefront)
  10. 外部からの利用 (9. + Edge Server)

という10ステップに分けて解説。Active Directory での「人」の管理をベースにして、「人」同士をメール、チャット、音声、ドキュメント共有など様々なコミュニケーションツールで結びつけ、さらに検索、アクセス制御、セキュリティ対策で情報システムに使いやすさと安全性、堅牢性を付加していくようなイメージ(ずれてるかな?聞いている限り、こういうことだと思った)。

名前くらいは聞いたことあるけど…というプロダクトもあったので、知識の整理ができてよかった。

 

T1-201 ここが変わった! Windows 7 デスクトップ環境徹底解説

WIndows 7 で(目に見えるところで)どんなことができるようになったかの話。

デモばかりだったからあまりメモとってないんだけど、意外と便利と思ったのが Explorer の検索機能。「タグ:条件式」で検索できるらしい。タグは Explorer の下に出てくる種類とかサイズとか作成日とか。例えば「サイズ:>10MB」で 10MB 以上のファイルを検索できる。

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